都条例改正に反対する署名が始まりました。 こちらからご参照下さい。
http://yama-ben.cocolog-nifty.com/
 署名用紙はこちらからダウンロードできます。↓
http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/files/20100520shomei_katsudo.pdf
 ご自宅にプリンターがない方は、セブンイレブンでプリントアウトできるそうです。プリント予約番号は65480368、当面の有効期限は2010/05/27 23:59だそうです。
 すでに多くの方がご存知かと思いますが、規制推進派のほうでも一部の学校などで署名を行っているそうです。そのことについては、本当に父兄の方にちゃんと条例の内容を説明しているのかという疑問が残りますが、署名には署名で対抗するのは正しい方法だと思います。この署名を添えて、山口弁護士と藤本先生が都議会のほうに請願書を出して下さるそうです。請願書というのは、陳情書よりワンランク上の方法で、議員さんの紹介がないと提出できないものです。その分、陳情書より効果が期待できます。都条例改正に反対される方は、ぜひご協力お願い致します。

 それとは別に私個人で、毎日新聞の取材に答えました。17日のイベントでお話した、「出版・編集の現場では、条例が成立する前から表現の萎縮が始まっています。3月の段階ですでに拙著に関して、性描写とは関係のないシーン(子供が警官を撃ち殺す場面。警官は「子供を撃つな」と部下に言い残して死ぬ)を削って欲しいとの要請がありました」このことについて、毎日新聞の社会部の記者さんにお話しました。
 
 出版社が「条例が成立したら引っかかるのではないか」と怖れたのは、次の項目です。

第七条
「図書類又は映画等の内容が、青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺もしくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認める時は、相互に協力し、緊密な連絡の下に、当該図書類又は映画等を青少年に販売し、頒布し、若しくは貸し付け、閲覧させないように努めなければならない」、

第八条
「知事は、次に掲げるものを青少年の健全な育成を阻害するものとして指定することができる。
一.販売され、若しくは頒布され、又は閲覧若しくは観覧に供されている図書類または映画等で、その内容が、青少年に対し、著しく性的感情を刺激し、甚だしく残虐性を助長し、又は自殺もしくは犯罪を誘発するものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの」
 
 その本はBLで、攻は30歳、受は27歳という年齢ですから、「青少年」の性描写はありません。しかし、「子供が警官を撃ち殺す」というエピソードが七条、八条に引っかかるのではないかと、条例が成立する前から懸念されたのです。
 しかも、わたしの著作はほぼすべて小説です。都の職員は「小説は規制しない」とコメントしましたが、条例本文にはそんなことは一言も書かれていなかったから、出版社は「小説だって引っかかるんでしゃないか」と怖れたんです。都の職員が後出しで「小説は含みません」などと言っても、まったく安心できません。条例本文にはそんなことは書かれていないから。都の職員の発言には、法的拘束力がないからです。それらのことを、毎日新聞の記者さんにお話しました。月曜日の朝刊に掲載されるそうです。詳しい経緯はtwitterに書きましたが、どういった記事になるのか、楽しみであるようなちょっと怖ろしいような。公正中立な記事になっていることを祈ります。
 本当は、何百万部も発行されている新聞の取材に答えるのは怖いです。自分の発言をねじ曲げて伝えられたら、それが真実として多くの人に認識されてしまうから。テレビや新聞による報道の威力は、ネット上での誹謗中傷の百万倍怖い。しかし、怖いからといって取材を拒否したら、現状は伝わらなくなります。今回は「表現の自由を守る立場からの報道です」という記者さんのお言葉を信じて取材をお受けしました。24日月曜の朝刊です。最近の大手新聞の報道を見て、自分が話したことがどれくらい正確に記事になるのか、確かめてみたいという意図もあってお受けしました。

 取り分けて言っておきたいのは、その本の出版社だけが特別に臆病であるわけではないということです。一社だけの問題だったら、日本雑誌協会や図書館協会、出版労連、日本ペンクラブ、流通対策協議会等の団体が一斉に反対するはずがないです。それだけ危険な条例なのだということをお伝えするために、取材にお答えしました。その出版社だけが臆病であると捉えられるのは本意ではありませんし、エピソードを削るように『強制』されたと誤解を受けるのも困ります。話し合いの末、該当エピソードは子供の年齢の数字だけを削除して、そのまま出版されました。編集者もわたしにそれを伝える時、非常に戸惑っている様子でした。作家の好きなように書かせたいけれど、条例によって有害指定されたら販売も規制される。出版人としての気骨を見せたいのは誰だって同じだけれど、気骨を見せた挙げ句に会社が潰れてしまったらどうしようもない。多くの識者の「このような条例が成立したら、今後、よほど気骨のある出版社以外は青少年の性や死を取り扱う表現はできなくなる。表現は確実に萎縮する」という見識は、まったく正しいということをお伝えしたかった。そのことは誤解なきようお願い致します。
スポンサーサイト